パラグラフライティングという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
「パラグラフ」とは1つのテーマで統一された文章のカタマリです。段落は1つの文章のカタマリですので「テーマで統一されていない」という違いがあります。
ピンと来ない方も多いかと思いますので、例文を出しながらパラグラフライティングについて解説していきます。
- パラグラフとは「段落」のことで、文章を段落でまとめることで読みやすい文章を書く書き方がパラグラフライティング
- パラグラフライティングの魅力はすべての文章を読まなくてもある程度見出しを読めば理解できる点にある
パラグラフライティングとは
パラグラフを直訳すると「段落」です。
しかし、パラグラフライティングのパラグラフは段落とは違い、1つのテーマで統一された文章のカタマリとなります。
文章が長くなってきたので、改行して見やすくするための段落はパラグラフではありません。
パラグラフとはあくまで「1つのテーマについて集中して書かれた文章のカタマリ」です。
ここからは実際に例文を活用して解説していきます。下の文章を読んでみてください。
三大キャリアとは主に独自で通信サービスを持っている業者のことを指します。ドコモ・au・softbankの3つです。店舗を構えないなどで経費を削減することで、消費者に安く電話を利用できるサービスです。
まずは文章をパラグラフで区切らず、単純に改行しただけの文章です。
文章としてはそこまで読みにくくはないかもしれませんが、テーマが「格安simについて」と「三大キャリアについて」と2つ出てきています。
今度は上記の文章を「パラグラフライティング」に即した文章にしてみます。
さらに下の文章を読んでみてください。
格安simとは別名MVMOとも言われ、いわゆる3大キャリアの通信回線を借りて携帯電話サービスを提供しています。
店舗を構えないなどで経費を削減することで、消費者に安く電話を利用できるサービスです。
※MVMOとは、mobile virtual network operatorの略で、仮想移動通信業者と訳します。
■三大キャリアとは
三大キャリアとは「docomo」「au」「softbank」の3つの通信業者を指します。
この3社は通信サービスを独自で持っており、店舗をたくさん展開することですぐにユーザーをサポートできる体制の構築を行っています。
このとき「格安simとは」「三大キャリアとは」が1つのパラグラフです。
説明すべき言葉を別のパラグラフに分けることで、1つのテーマで1つの話題についてのみ解説しております。
パラグラフライティングを行うことで、見出しを読むだけで何について書かれているのかが一目瞭然となります。

見出しを見ただけで何がかかれているかわかるのが「パラグラフライティング」の特徴だね
パラグラフライティングの基本形
パラグラフライティングの基本は「主題文・支持文・終結文」の3つで構成されています。
ロジカルライティングの時に解説した「総論・各論・結論」とはまた異なりますので、ごちゃごちゃにならないように注意してください。
ロジカルライティングは、1ページの書き方、つまりページ全体の流れを書くための方法でした。
しかし、パラグラフライティングは1パラグラフごと、つまり1つのテーマごとに「主題文・支持文・終結文」を書いていくため、1ページの中に何個もパラグラフを書くことがあるでしょう。
ロジカルライティングとパラグラフライティングの違いは以下の図のようになります。

ロジカルライティングは1つの記事の書き方だったけど、パラグラフライティングは文章の書き方なんだね。

ここからはパラグラフライティングの書き方について解説していくわよ!
主題文の書き方
主題文で大切なことは、主題文は「パラグラフ全体のテーマを伝える役割」ということです。
そのため、パラグラフの中でも最も重要な1文であり、サイトに訪れてくれたユーザーがこの後の支持文を読むかどうかの判断材料になります。
誰にでも伝わる主題文を、簡潔に書くことが大切です。
支持文の書き方
支持文では主題文で書いたことについて具体的な解説を行います。
主題文に書いた内容だけに集中して支持文を作成することで、ユーザーに伝わりやすい文章を書くことが可能になります。
もし、主題文と関係のない内容を書く場合は「※マーク」を使用して後で捕捉のようにするか、別のパラグラフを作って解説していくとよいでしょう。
また、パラグラフライティングでは、必ずしも文章で書く必要はありません。
見やすさを優先したリスト形式で書いたり、表を活用して書くこともよいでしょう。
終結文の書き方
終結文では、最後のまとめとしてパラグラフを締める役割を担います。
締めの文章を入れることによって、文章全体も引き締まりますし、主題文で書いたことを繰り返すことによってもう一度伝えたいことを強調する働きもあります。
ただし、あまりくどくなってしまう場合は、省略することも可能ですので、終結文は状況に応じて作成するようにしてください。
文章を書き始めたばかりの頃は、間違いなく終結文を挿入したほうがわかりやすい文章になります。
文章を書いていて「ここは終結文を削除しても問題ないな」と考えられるようになったら十分一人前といえるでしょう。
パラグラフで書くメリットは

最初に1番伝えたいことを伝えられる
パラグラフライティングでは、まずは主題文である見出しをつけることから文章を構成していきます。
そのため、主題文には一番文章を書く中で伝えたいことを伝えることができますので、読者も読みやすいでしょう。
同時に、見出しをつけることでテーマも明確にすることができます。
見出しをつけることで分かりやすい文章を書くことにもつながりますし、ユーザーにも伝わりやすいといいことだらけです。
全部読まなくても理解できる
パラグラフライティングのメリットとして、主題文を読めばおおよその内容がわかるため、すべての支持文を読む必要がなくなります。
そのため、サイトに訪れてくれたユーザーが読む文章の取捨選択を行うことができますので、ユーザーの無駄な時間を取らせることがありません。

見出しを読めば、ユーザーが知らない情報だけを読むことができます!
まとめ
パラグラフライティングについて理解していただけましたでしょうか。
パラグラフライティングは文章をわかりやすく伝える方法として、非常に便利な方法ではあるのですが、あまり意識しすぎるとかえって書けなくなる可能性もあります。
特に、文章を書くことに慣れていない場合、「パラグラフライティングのやり方でなければならない」と考えて文章が書けなくなることもあるようです。
その場合、無理にパラグラフライティングを意識する必要はありません。
文章を伝えやすくするために、パラグラフライティングという手法もある、ということを覚えておいてください。
それでは今回のまとめです。
- パラグラフライティングは1つのテーマで統一された文章のカタマリのことで「主題文・支持文・終結文」の3つから構成される。
- パラグラフライティングは一番最初に伝えたいことを伝えることができるので、その後の文章の展開を行いやすい。